2017年10月14日

謎の宇宙旅行協会

愚か者だが中学生の頃はもっと愚かだった。月世界征服(米1950年)という映画に感動して宇宙への旅を夢想した。その第一歩として宇宙旅行協会に入会。月一回発行されるガリ版刷りの会誌にはロケットの作り方が書いてある。簡単そうなので作ろうと思った。

心細いので唐辛子屋の息子と米屋の息子を誘った。この三人は小学校も一緒の悪戯仲間だが、どんな人物かは朗らか先生と真面目先生に書いたので省略する。三人寄れば文殊の知恵で何とか全長30cmのロケットを作り上げた。先ずは試したかったのだ。

人口密集地の渋谷でロケットを発射する場所は大きな道路の工事現場しかない。調べると12時から1時間は昼休みの為、工事現場が無人になることが分かった。準備に30分はかかるとして12時29分にカウントダウンと決めた。「スリー、ツー、ワン、発射!」と映画のようにカウントして導火線に火をつけたが、ロケットまで届かないうちに消えてしまった。予備の導火線に付け替えたりいろいろ試したが、どうしても点火しない。

想定外のトラブルであせった。1時には作業員が戻ってくるので時間がない。万策尽きてロケットを上に向けて立て、その周りで焚き火をした。最低限、点火だけはしたかった。だがどっちに飛ぶか分からない。20mほど離れた物陰に隠れ首だけを出して見守った。

突然の大音響にビックリしてロケットを見るのも忘れた。どこに飛んだかも分からない。慌てて火を消し辺りを見渡すと、休憩所から作業員が飛び出すのが見えた。恐怖におののいたのはつかの間だった。遠くから「おーい大丈夫か〜」と心配そうな声が聞こえる。どうやら逃げなくてもいいらしい。見つかったら叱られる。ただじゃすまないと思っていたのにお咎め無し。なぜだろう? 宇宙旅行協会って何だろう? 当時の住所は枚方市だった。

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posted by 中波三郎 at 00:00| Comment(0) | 中学時代