2019年09月14日

ゴミ捨ては辛いよ

25年間も全く別の世界で暮らしていた二人が偶然の出会いで結婚する。それが当然と思って何も考えずに年を取る。退職して家でゴロゴロ二人暮らし。そして、些細なことでも喧嘩するようにになる。それでは人生は楽しくない。平等とか思うからいけないのだ。そんなことは有り得ない。今まで主人だった私は家来になる決心をした。

二人居る以上は上下関係が必要だ。一番いい上下関係は親子と思う。それで私は子供になることにした。子供は凄く楽だ、お母さんにご飯とか家事一切やってもらって勉強してればよい。私はもう18年もやっている。子供の唯一の仕事はお母さんの言いつけを守ること。そうすれば叱られることもない。お母さんの尻の下で何不自由なく暮らせる。

ここで呼び方について少し説明、子供が家を出て二人暮らしになった時、お母さんと呼ぶことに違和感を感じた。それで名前で呼び合うことを提案したら一蹴された。しかし、今は喜んでいる。子供役の私にピッタリの呼び方である。

私がお母さんに言いつけられている仕事は朝のゴミ出しである。ゴミ出しは凄く厳しい仕事だ。他に何もやってないからね(笑)。共同住宅に住んでいるから、やたらに知ってるような知らない様な人に会うのだ。挨拶するのがもの凄く難しい。

昔は好かったとか言っても始まらない。今は挨拶するかしないか、顔を合わせるごとに判断を迫られる。これは案外つらい。この辛さから逃れるのは簡単だ。人に会わなければいいのだ。人に会わないテクニックを身に付けることにした。

我室は4階にある。先ず、乗るべきエレベーターが1階にあることを確認する。90%以上の確率で箱はカラである。問題は4階を通過する場合、人が乗っていれば好いのだが、カラの場合は上に行った箱は誰かを乗せて4階に降りてくる。そんな場合はゴミを持って階段を歩いて行く。こんなことを一瞬のうちに判断して行動に移すのである。

廊下で遭遇したら仕方ない。軽く頭を下げる、そして相手が「おはようございます」とか言ったら口頭の挨拶を付け加える。これが一番無難なやり方である。

上るときはエレベーターが1階に止まっていれば幸運だ。降下中の場合は階数を読む。もし8階ならば、玄関の反対に向かって、イチニーサンシーとハチまで数えながら歩き、それからエレベーターに向かって歩く。これで万全、カラの箱が待っててくれる。

家に帰るとお母さんが「今日は誰かに会ったかい」と聞いてくれる。私の苦労を知っていて労ってくれるのだ。そして「ごくろうさん、明日から連休だね」。そうなんだ。今日は金曜日でプラスチック、土曜日曜はゴミ捨てはない。
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posted by 中波三郎 at 00:00| Comment(0) | 後期高齢(75歳以上)