2019年09月07日

笑うな

穂村弘のエッセイが好きだから、ときどき彼の現代短歌に触れることがある。NHKラジオ深夜便で彼が話すのを楽しみにしていた。午前4時からだが最初は楽しく聴いていた。その内インタビュアーの笑い声が気になって来た。更に頻繁に笑うようになると邪魔に感じるようになった。穂村さんの話はとても面白いのだが、クスクスするだけで、ケラケラ笑うほどのものではない。それに冗談は時々しか言わない。それなのに彼女は頻繁に笑う。

彼の話を聴こうとすればするほど、彼女の笑い声が邪魔になる。しまいには彼女が笑いを止めても、今に笑うのではないかと恐ろしくなる、そんなときに笑われると、嫌という気持ちを飛び越えて腹が立ってくる。ついに聴くのを止めてしまった。

ところが突然、変なのは彼女ではなく私だと気付いた。インタビュアーはアナウンサーと思う。そうでないとしても話のプロか、それに近い方と思う。話のプロがリスナーの嫌がることをする筈がない。そんなことをすれば仕事を失う。現に彼女は仕事をしている。どう考えても変なのは私だ。年を取って笑い声を嫌がる変人になったのである。あ〜ぁ、嫌になっちゃうね。ついに、偏屈老人になってしまった。私こそ世の中の邪魔者だ!

ラジオ深夜便を聴き始めてから20年以上たつ。深夜に静かに語られる深夜便が大好きだった。1時間のタイマーをかけて聞いていると、何時の間に寝てしまう。その感じも好きだった。まさに寝て良し起きて良しのラジオ深夜便。それが数年前から笑い声が増えて来た。笑い声は次第に増え、ついに違和感を感じる程にまでなったのである。

実際に笑い声が増えたのか、どうかは分からない。私だけが気に障るようになったのかも知れない。とにかく話すプロはリスナーを意識するから、わざと笑おうとするのはリスナーが歓迎する場合に限られる。笑いが人々に好感を与える。それを不快に感じる私は知らぬ間に変人になってしまったのだ。気づいても元に返れない。

年を重ねるに従って、だんだん変人になったのか、世の中が静かな時代から笑い声の時代に変わっのか、未だに分かりかねている。もう世の中の変化についていく気力もない。穏やかに静かに生きているつもりだが、いつの間にか頑固な変人になってしもうた(笑)。まあいいか。人生いろいろ人もいろいろ。いいじゃないの幸せならば。
posted by 中波三郎 at 00:00| Comment(0) | 後期高齢(75歳以上)
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