2008年06月08日

カラオケで喧嘩

カラオケボックスに入ったトタンに楽しい気分も吹き飛ぶような「事件」が起こった。原因は1匹の小さなハエ。あちらこちらに飛んだあげく入口の近くにポッと止まった。

追い出してやろうと思ってドアを開け、止まっているハエを帽子であおった。ハエは出ないで飛び回った。そのとき「なんでぶっつぶさないのよ」と、険のある声がした。振り向くとAさんが目をつり上げて、私をにらんでいる。

ハエはAさん側の壁に止まった。情け容赦なく紙を丸めて思いっきり叩いた。少し外れたがハエは床に落ちてもがいていた。Aさんは「ぶっ殺してやる!」と言いながら思いっきり踏んづけた。

「殺さないで拾って外に出せばいいでしょ」
「なに言ってんのよ。手が汚れるじゃない」

こんな状況の中で私が歌う順番が来た。少し意地悪してやろうと思い、渡哲也の「あじさいの雨」を歌ってやった。

「弱いからだに〜 かさねた無理を〜♬」
と歌いだすと、とたんにAさんが横やりを入れた。
「弱い女がそんなに好きかい!」
実は次の歌詞を聞かせたいのだ。Aさんにピッタリだ。
「かくしていたのか 濃いめの化粧〜♬」
きれいと思っていたが、ハエの一件で印象は変わった。
「強い女は嫌いかい!」
少しは静かにしてほしい。ハエを一匹殺したくらいでそんなに強がることはない。バカらしい。
「いくども色を変えながら枯れて淋しく散ってゆく〜♬」
私だって皮肉の一つも言ってやりたい。しかし、喧嘩はここまででお仕舞い。いろいろあったが、何事もなかったかの様に、1ヶ月後のカラオケを約束して解散。

歌:渡哲也作詞:水木かおる作曲:遠藤実

 弱いからだに かさねた無理を
かくしていたのか 濃いめの化粧
いくども色を 変えながら
枯れて淋しく 散ってゆく
雨 雨 あじさいの雨に
煙るおまえの 白い顔

いつも変らぬ 笑顔のかげで
いつか指から 消えてたゆびわ
苦労の重さ たえながら
じっと咲いてた 花にふる
雨 雨 あじさいの雨は
男ごころを ぬらす雨

かげで流した おまえの涙
ふいてやれずに 今日までひとり
身勝手すぎた このおれを
詫びてみたって 遅いけど
雨 雨 あじさいの雨に
声をころして 男泣き

posted by 中波三郎 at 20:36| Comment(0) | 自由時代(61-74歳)
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