2022年05月07日

心に太陽を持て

スポーツもゲームもできないし、車も無いし旅行する気もない。こんな私の唯一の気分転換は、書いて心のうさを晴らすこと。腹に溜まったモヤモヤも嘘のように消えて行く。

ブログは心のうさのすてどころ。酒は涙か溜息か。思わず馴染みの歌詞が次々と浮かんでくる。だが歌への想いは増すばかり。愛されたくて愛したのではない。燃ゆる思いをぶつけただけ。自分の思いのまま文章を書こうと思っても、頭に浮かぶのは歌詞ばかりで、どうにも止まらない!

早いもので癌との付き合いが始まって10年もたってしまった。始めチョロチョロと言う感じで、今は中パッパという気分だ。一時、こんな人生は終わった方が好いと思っていたが、今はもっと長生きしたいと思っている。大して苦しんでいないのだから、こう思って当然だ。3回の手術も私が寝てる間に済んでしまった。

初めて舌癌の疑いを持たれたのは、およそ十年前、かかりつけの歯医者さんが舌のぐあいが変なので口腔内科で診てもらった方が良いと、H大病院に紹介状を書いてくれた。病院では7年間にわたり、大勢の先生が私の舌を診てくれたが、いずれも経過観察、舌の組織を取って調べることもなかった。

状況が変わったのは通院して8年目の2020年1月のこと。舌の疑わしい部分の組織を取って調べたら陰性。ああ良かった、これで病院通いもお仕舞いかなと思ったら、なお疑わしいので別の場所の組織を取って調べると言う。結果はまたもや陰性。疑いは晴れたと安心したのは束の間、更に、舌の一部を切り取って調べなければ確認できないないと言う。

そして舌癌と診断され8月に手術をした。疑いがもたれて8年目、本格的に調べて8ヶ月目に手術は終わり退院となった。八と八とは末広がりで縁起が良いと喜んだ。ところが広がったのは癌の方だった。舌癌がリンパ節に転移したのだ。

手術1年3ヶ月後、今回も転移の疑いはあるが断定はできなかった。PET等の精密検査をを繰り返した結果、癌と診断された。2022年3月25日入院、29日手術、そして4月9日に退院と決まった。今度こそお仕舞いだ。治ったらああしよう、こうしようと楽しいことが頭に浮かんで来た。

病み上がりだから先ずは家でできるオンライン会合(Zoom)から始めよう。外出できるようになっらカラオケだなとか自分なりの予定を立てていた。私が所属しているシニアネットでは各種クラブ活動が盛んだ。そしてZoomでの活動もある。学習会が盛んだが、勉強は苦手なので笑いヨガや落語で笑い、手話で歌って楽しむ。そして体調が戻ったら、いよいよカラオケだなとかワクワクしてきた。

ところが、退院直前に癌が再発する可能性が高いので更なる治療が必要と聞いてガッカリした。再入院も必要だと言う。人生の一番美味しいところを闘病闘病で暮らすなんて勿体無い。治療なんて止めて自由に暮らそうと決めた。緩和ケアも悪くないモルヒネやって安らかに、と思ったら吹っ切れた。

それなのに、日が経つに連れて時々怖くなるんだから嫌になる。優柔不断は死ぬまで治らない。更に考え直して、治療を受けることに決めたらホッとした。私は決断のできない人。こんな自分が面白いと感じ思わず笑ってしまった。

考えてみれば、私は運が良い。先生方は丁寧に調べ尽くして癌を見つけてくれた。もし、見つかっていなかったらどうなったかは私でもわかる。今回も肉眼で見えない癌の種を顕微鏡で見つけてくれた。そして、放射線で焼いて根治してくれると言うのだ。こんな有難いことはない。唇に歌を持て心に太陽を持て(ツェーザル・フライシュレン)

posted by 中波三郎 at 00:00| Comment(0) | 80歳以降
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