2022年05月21日

カラオケデビュー?

月末になれば再入院、今は自宅療養中、こんな時は昔を思いだす。60代はいろいろな出会いがあって楽しかった。今は書くことだけが楽しみになってしまった。僅かながら読んで下さる方々に感謝。有難うv(^_^ v)

2002年の暮れのことだった。いい年して蝶ネクタイをして舞台に立って歌う羽目になった。平穏な暮らしをしている私にとっては、定年退職後最大の危機。こんな苦労までして「やさしい英会話」にしがみつくのには訳がある。

以前に参加した高齢者向け講座は幾つもあったが、すべて三日以内に止めていた。今度ばかりは1年は続けようと固く誓った、と言うよりも同居人に誓わされたのだ。

そして、クリスマス音楽祭の日がやって来た。意外なことに皆んな楽しそうだ。しかし考えてみれば当たり前、嫌な人は来ないのだから。どうやら受講生の義務と感じていたのは私だけらしい。好きな人だけで歌えば済むことだった。友達がいないからこんなことも知らなかった。とは言え収穫はあった。それは自分の殻を破ったことである。 

音楽祭には、4年で4回参加した。「英会話」といっても年末の音楽祭に備えて半分くらいは歌の練習だ。ただ歌うだけで特別な指導があるわけでない。だから4年間も続けられたのだと思う。隣でAさんが、きれいな声で歌っているのが聞こえる。小さな声で合わせたつもりで歌ってみると、なかなか気分がいい。こんなことを4年間も続けてきた。

ある日、Aさんがカラオケに誘ってくれた。長い付き合いなので、下手もオンチも承知のはずだ。その上でのお誘いなので喜んで応じた。一年たっても上達はしないが、充分楽しめた。上手いも下手も、パチパチもない。ひたすら順番がきたら歌うだけだが、これがなかなかいいのだ。お喋りに夢中で私の歌など誰も聞いてない。すべてが自然だ。自分達がやりたい様にしていたら、楽しいカラオケ会になってしまった。

「そろそろカラオケデビューしたいのですが…」
「そお」
「有料で行きたいと思っているの
ですが…」
「当たり前でしょ」
「こんなメニューでいかがでしょうか?」
「なになに? ハトポッポ
10円、青い山脈100円、二人の世界1000
円、何よこれ? 意味わからない」
「私への歌代です。賛成してくれたでしょ」

posted by 中波三郎 at 00:00| Comment(0) | 自由時代(61-74歳)
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