サンマが一匹13,200円と聞いてビックリ。突然、昔の流行歌を思い出した。今日もサンマ、明日もサンマ、弁当のおかずもサンマ、サンマ、サンマ♪。今の自分は3年間入退院の繰り返しだから、 今日も病気、明日も病気、ビョッキ、ビョッキ、ブログの話題も病気♪ てな感じ。副作用で味覚障害、食いたいものが無くなった。それでも人生は楽しい。
前途に希望が持てるからだ。半年すれば快復するので、その日を楽しみにして一生懸命食べている。入院中は口が痛くて味がないので、医師に人工栄養を頼んだら断られた。その代わり、口に含んでブクブクする短時間麻酔をもらった。まともな味がしないのだから、口が麻痺していても差し支えない。お陰で、1日3食完食!看護師さんに褒められた。
放射線治療は全部で30回、半分程度は通院、副作用が激しくなる後半は入院した。面会禁止の病室で寝てばかりいては退屈なので、院内散歩をした。
病室は5階だがエレベーターで上がって、12階からの風景を楽しむ。左を見れば街並み、右側は山々。いつもベットの周りをカーテンで仕切った狭い世界で暮らしている。ここに来れば広い世界を見て気分転換ができる。
夜は無人の1階で水族館気分を味わう。日中は混雑している待合室も夜は無人、近寄るとサカナたちは寄ってくる。面会禁止の私は寂しい。水槽に閉じ込められたサカナも寂しそう。私たちはは気が合うようような気がして、お互いに心震わせている?
「ひまわり分校」の小中学生が描いた作品。当分校は、ある札幌市内小・中学校の病院内分校。入院中の学習指導、仲間と学習で心の安定、学習意欲の持続を図る病院内学校だそうだ。81歳の私にとっては、こんな学校があったのかと驚いたり、感心したり、幾つになっても新しい発見がある。
案内表示があるから歩き回っても迷子にならない。この病院は大きくて、闇雲に歩いていると自分の病室に帰って来れない恐れがある。
温室を抜けると中庭に出られる。そこは外気に当たる唯一の場所。この病院は散歩するには、もってこいなのに外出禁止。中庭に出れば上を向けば青い空と白い雲が見える。外の空気は清々しい。患者が外気に触れられる唯一の場所なのに空いていた。知らない人が多いようだった
放射線治療が終了して一週間は副作用のピーク。その後、治療薬をボストンバックがいっぱいになるほど持って退院、在宅療養に入る。病室が自宅に変わっただけだった。
放射線治療で荒れた肌を快復するローションをいっぱいもらった。散髪に行ってもヘアカット・オンリー、使って良いのは石鹸と、このローションだけ。
これを口に含んでブクブクすると短時間の麻酔がかかる。1日3食3回使うのですぐに無くなってしまう。5本もあると結構重い。通院中はタクシーで持ち帰った。
その他、痛み止め、うがい薬、荒れた肌に塗る軟膏など両手で抱え切れないほどもらった。
極め付けは人工唾液、口が乾いたらシュッシュとやればツバキが入る。喉が乾くのも副作用の一つ、年がら年中、夜中に起きてもカラカラだ。昼は水を飲むが、夜はシュッシュで間に合わす。欠点は変な味、副作用のせいだと思う。
私は無職で旅行もしないでノンビリ暮らしている。病気のお陰で思わぬ体験ができた。人工唾液、こんな便利なものがあるとは夢にも思わなかった、新発見がいろいろあるのも病気の楽しさだ。苦しい時、痛い時は必死に耐えていて、不幸とか思う余裕がない。結局、いつも幸せである。
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